【なんとSDGsパートナー紹介vol.7】株式会社なんとエナジー

「地域密着型の地域新電力会社」~エネルギーの地産地消を目指して~/ 株式会社なんとエナジー

取材日:2024年9月2日

取材日:2024年9月2日
ライター:真野 剛まの つよし(地域おこし協力隊)/福光中学校2年生 2名

                                      

【関係するSDGsのゴール】

株式会社なんとエナジーの事業所に訪問し、取締役の小幡真嗣さんにインタビューを行いました。今回は14歳の挑戦で福光中学校2年の生徒2名がインタビューに挑戦!!地域おこし協力隊の真野剛さんと一緒に、色んなお話をうかがってきました。

・なんとエナジーという会社とは?

 2021年11月に設立しました。前団体として、南砺市で活動している方がメンバーの南砺市民エネルギー研究会というグループがあり、いずれは地域で発電した電力を地域に還元したいと研究していました。これが母体となり、今のなんとエナジーがあります。               

 なんとエナジーは「地域新電力」という会社です。地域新電力会社とは、南砺市といった自治体や地元の工場、会社さんなど、地域の方々が「地域の為に頑張ってください。応援しています。」と出資をしてくださってできた地域密着型の電力会社です。

・活動内容は?

 南砺市のお客さんの家庭、南砺市役所、学校、工場や会社に電気を販売・供給しています。

 内容としては、各家庭・事業所が1日にどのくらい電気を使っているかを予測します。分かりやすく説明するために学校の夏休み期間を例に挙げると、「夏休みの期間中はみんな学校が休みなのでそんなに電気は使わないだろう」とか「エアコンは職員室だけで済んでいるだろう」ということから、いつもよりも電気の利用は少ないであろうという予測をします。その予測に合わせてなんとエナジーは、大きい電力会社である北陸電力さんから電気を仕入れます。その電気を各所に供給するというわけです。

 実際にシステムを使って、電気はどのくらい使われているのかリアルタイムで見ることができます。24時間の電気の利用を30分単位で全てシステムが出してくれます。このシステムを通して電気の仕入れ・販売を行っています。2022年4月1日から事業が始まりシステムもその時から稼働していますが、始まった当初はデータがないので、「休みはカレンダー通りなのか」とか「どのような利用をされるのか」を各所に聞きながら、色んなものを参考にして予測をして、電気の仕入れ・販売をしていました。

 また、各所で電気が不足することもあります。不足しそうだったら不足分を調達する、余れば仕入れた額よりも安い金額で買ってもらう、などの作業もしています。

 さらに、太陽光パネルで蓄えた電気を買うことも行っていますが、南砺市のために電気を使ってほしいといって、なんとエナジーに切り替えてくださるお客様もいらっしゃいます。

・どのように地域に貢献していますか?

 「エネルギーの地産地消」として、南砺市でつくった電気を南砺市でつかうという1つのサイクルをなんとエナジーのモットーとしています。

 また、地域還元策として、なんとエナジーの利益の一部を公益財団法人南砺幸せ未来基金に寄付しています。2022年度からこれまで2回の寄附をしており、現在はその寄附金をどう使うか考えているところですが、電気に関することにこだわらず、様々な場面で南砺市のために使ってほしいと考えています。

・南砺市がどんな地域になってほしいですか?

 南砺市に住んでいるのであれば、極力南砺市のものを買って、南砺市にお金を落とし、地域内でしっかり経済を回したいという考えが根本にあります。将来的には、なんとエナジーで発電所を持って、メイドイン南砺市の電気を南砺市に還元して、皆さんに使ってほしいと思っています。そしてもっと経済を循環させたいと考えています。

 発電所を作ることになったら、再生可能エネルギー(太陽光発電や水力発電、ごみ発電等)という、再利用できる資源を利用して電気を作りたいと考えています。

・活動する中での課題は?/

地域の企業や団体、学生などの若者と連携して取り組みたいことは?

 まだまだ認知度が少ないので、なんとエナジーとはどういう会社なのかを広めていきたいと思っています。例えば、学校の授業などで出前講座をして、環境やエネルギーについて理解を深めてもらうなど、働きかけをしていきたいと考えています。

・現在の契約者はどれくらい?

 南砺市内に家庭が1万件近くある中で、現在の契約者は数%しかいません。10%もないくらいです。まだまだ認知度が低いため、これから広めていきたいと思っています。前述しましたが、将来的にはなんとエナジーで発電所をつくって認知度も高めていきたいと思っています。

・契約者を増やすためにどんな工夫をしている?

・どれくらいのお得感がありますか?

 使っている皆さんの口コミからの広がり、営業力と宣伝力が大事だと思っています。家庭にいきなり訪問すると、「この会社は何の会社?大丈夫?」と思ってしまわれると思います。しかしありがたいことに、なんとエナジーの役員や株主さんには南砺市の各地域で活動されている方や、よく知ってくれているメンバーが大勢いるので、その方たちの名前をお借りして、みなさんから信頼してもらうことから始めています。実際に契約をしてもらう以前に、まずは話を聞いてもらって信頼してもらうことが一番重要だと思っています。詳しく話していくと分かっていただける方々もいらっしゃるので、そこから広げていきたいと思っています。

 どれくらいお得かというと、大手電力会社さんよりも、工場や会社だと1パーセント、家庭だと3パーセント安くしています。家庭では年間6千円程度安くなる計算です。

・今後の意気込みは?

 この先何年、何十年かけて、「電気=なんとエナジー」という関係になってほしいと思っています。なんとエナジーのような会社は、まだ県内にもありません。まずは南砺市から広げていって、他の市にも普及していきたいと考えています。エネルギーの地産地消の会社として、当初はなにもないところからスタートしました。これからもっとエネルギーや環境について普及していきたいと思っています。