取材日:2024年12月18日
ライター:真野 剛(地域おこし協力隊)
「センダン電子の挑戦と未来への思い」
/ センダン電子株式会社
【関係するSDGsのゴール】
あらゆる産業機器の心臓部に組み込まれるカスタム電源を製造するセンダン電子株式会社の管理部主任/村上博美さんにインタビュー行いました。
特注電源を手がける老舗企業
創業53年を迎えるセンダン電子は、医療機器や鉄道の信号機などで使用される特注電源の製造を手がけています。センダン電子では受注から設計、開発、製造、納品までを一貫して行い、短納期対応や小ロット生産にも応えられる柔軟な体制を整えています。製品は「あらゆる産業機器の心臓部」として人々の暮らしを支える重要な役割を果たしています。村上さんは、目には見えない場所で活躍する製品だからこそ、その精度と安定供給が大事であり、センダン電子の誇りだとおっしゃいます。
環境に優しい取り組み
センダン電子では、環境保全にも積極的に取り組んでいます。社内では電力や水道の無駄遣いを防ぐための注意喚起が行われ、廃棄物の仕分けを徹底し、金属や半田などリサイクル可能な素材を適切に処理して可能な限りの再利用を行っています。「社員一人ひとりが環境意識を持ち、持続可能な社会に貢献することが会社の目標です」と村上さんはおっしゃいます。
外国人技能実習生との共生を目指して
センダン電子では20年以上前から外国人技能実習生を積極的に受け入れています。現在、福光工場では63名の従業員のうち約20%にあたる13名が外国人技能実習生で、そのうち11名が中国出身、2名がインドネシア出身です。細かい作業が多い業務内容のため、実習生は主に女性で、会社の貴重な戦力となっているそうです。
「実習生が快適に暮らし、働けるようにサポート体制を整えています」と村上さんはおっしゃいます。さらなる実習生の受け入れ体制が取れるようにポイント制のボランティア活動にも積極的に取り組んでおられます。また、日本語能力試験の2級以上を取得した場合には給与アップという仕組みを設け、実習生のモチベーション向上を図っています。地域との関わりも大切にし、実習生が日本語を学びながら交流できる場を求める声にも応えようと尽力しています。
技能実習生を支える温かい心
センダン電子では、外国人技能実習生が安心して南砺市で暮らせるよう様々な支援を行っています。病院や買い物への付き添い、自転車の鍵をなくした時などの些細なトラブル対応はもちろん、村上さん個人でも休日には動物園に連れ出したり、誕生日プレゼントを贈ったりすることもあります。社員同士や実習生とのご飯会や交流会を企画するなど、明るく賑やかな雰囲気を大切にしている村上さんの存在は、実習生たちにとって精神的な支えとなっています。
「これまでに外国人技能実習生と社員の方が結婚したケースも3組あり、企業としても地域としても素敵なつながりが生まれています」と村上さんは笑顔で話してくれました。
会社のみんなでイベントに参加することも多いそう♪
村上さんと外国人技能実習生
目指す未来の南砺市
「人口減少が進む中でも、暮らす人々が幸せを感じられる南砺市になってほしい」と村上さんはおっしゃいます。センダン電子としても、外国人技能実習生を含む多様な人々が隔たりなく共生できる社会の実現を目指しています。そのためには地域全体での協力が不可欠です。実習生と地域住民が自然に交流できる場の整備や、学びの機会を増やすことが課題だと村上さんは考えています。
センダン電子の製品が暮らしの「心臓部」として機能するように、同社の取り組みが地域や社会の支えとなっています。環境保全、外国人技能実習生のサポート、地域との共生など、多岐にわたる活動を通じて、南砺市の未来をより明るいものにしようという意志が伝わるインタビューとなりました。
インタビュアー紹介
真野剛
【プロフィール】 南砺市地域おこし協力隊SDGs普及啓発担当。活動期間延長を認められ現在4年目
兵庫県西宮市出身、城端地域在住、妻と娘(3歳)との3人暮らし。前職は介護士、農業、飲食、通信工事等。南砺市で大自然を満喫しながら環境負荷の少ない暮らしを実践中!