南砺の建設業から進める、地域密着型のSDGs
/ 得能建設工業株式会社

取材日:2023年7月6日
ライター:大石稜晴(富山県立大学3年)

【関係するSDGsのゴール】

得能建設工業株式会社の事務所に訪問し、代表取締役の得能年久さん(写真手前)と総務部の得能沙友里さん(写真奥)にインタビューを行い、お話を伺いました。

得能建設工業が取り組む事業

~地域に貢献する~
得能建設工業株式会社は1929年5月11日に得能軽車両として創業し、車がまだ普及していない時代に荷車を作っていました。その後、1949年10月1日に得能建設工業を設立し、本格的に建設業に乗り出して、自動車の普及に伴い道路のような社会資本の整備を今日に至るまで行ってきました。建設業では、安心安全な街を作り、災害時には、災害にいち早く対応し、避難ルートを確保するとともに、また、誰もが当たり前のように利用できるインフラの整備などを事業としてきました。このように、戦前、戦後にわたり、かけがえのない地域に支えられつつ、地域に貢献してきました。このような会社の事業そのものがSDGsの取り組みになると考えています。

 

 

この写真は、国道304号線の新道建設に伴い、会社の資材倉庫の修繕工事でできた約30メートルのコンクリート壁に日本画家の本城葵さんが壁画を描いたものです。国道304号線の新道開通前にランドマーク of 福光 FESTIVALというイベントを開催して壁画をお披露目するなど、地域を盛り上げるための活動も行っています。

 

社員の働きやすさへの取り組み

ジェンダー平等の面では、人材育成を行うことで知識を深め、差別や偏見をなくし、当たり前のことを当たり前にできるように人材育成を行っています。また、現在工事部社員は全員男性ですが、女性にも働いてもらえるように新社屋には女性専用トイレや女子更衣室を導入するなど、女性が働きやすい環境を整える構想をしています。

ワークライフバランスの面では、4年前から週休二日制にしたり育休の取得を推進したりと休暇の取得に力を入れています。労働環境の改善を図ることで、労働環境のグレーゾーンをなくし、胸を張ってホワイト企業と言えるようにしています。しかし、この取り組みを進めるうえで社員間のコミュニケーション不足が課題となっていました。そこで「カエル会議」が開かれるようになりました。カエル会議の“カエル”とは、「家に帰る」「変える」という意味が込められており、社員が主体となって会社の環境改善を図る目的で、現在は月に1, 2回実施しています。この取り組みは、得能建設工業が令和4年度の富山県働き方改革実践モデル企業に選定されることで始まりました。

「カエル会議」でコミュニケーションを取る社員の皆さん

働きがいの面では、キャリアドックという取り組みを今年6月から開始しています。これは、5年、10年後の自分の姿を想像し、それに対して自分の現在地がどの段階であるか評価し、そこからどのようにすれば目標に近づけるか段取りを立てることで社員のキャリアを向上させる狙いがあります。また、安定した心理状態で働くことが重要であるため、社員の心理的安定性の向上を図るために第三者(キャリアコンサルタント)に悩みを相談できるようにし、個々のワークライフバランスを整える環境づくりをしています。社長自身も聞き役に回ることがあるそうです。

今後の意気込み

今までは若者に興味を持ってもらうような取り組みは特にやってこなかったが、今後はこれまでの建設業の悪いイメージを払拭するためにブランディングを行い、魅力ある業界にして、学生などの若者に建設業に興味を持ってもらい、我々にはない発想と発信力のある若者とともにまちづくりをしたいと社長はおっしゃられていました。そして、南砺市とともに歩み、100年企業となれるように、できることからなんでもやってみて、そして地域の役に立ちたいと意気込んでおられました。


<インタビュアーの感想>

普段からお世話になっている分地域に還元しようという意識から、会社と地域が密接になり、このような互いの支え合いが地域の盛り上がりにつながるので、今後の地方創生に必要なものであると感じました。また、今回の得能建設工業さんのケースのように、今までの行いそのものがSDGsの取り組みに当てはまることもあり、SDGsは難しいものではないと思いました。だから、ごみの分別や3Rのような当たり前のことを当たり前にできるようにすることが大切であると思いました。

得能建設工業㈱ホームページ
なんとSDGsパートナー宣言書


インタビュアー紹介

大石稜晴

【プロフィール】
富山県砺波市出身で富山県立大学工学部環境・社会基盤工学科の3年生です。趣味はドライブで、北海道と沖縄以外の45都府県を車で制覇しました。
インタビューを通してSDGsについて深く考えることができ、とても良い機会になりました。

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