安心安全に暮らし続けられるエコな循環のある街づくり
/ 株式会社谷口板金

取材日:2023年10月6日
ライター:真野剛(南砺市地域おこし協力隊)

【関係するSDGsのゴール】

        

福光の街中に構える「情報発信基地えこる」に訪問し、株式会社谷口板金の取締役の谷口喬行さん(写真右)とえこる店長の谷口恵さん(写真左)ご夫妻にインタビューを行いました。
また、インタビュー当日は「14歳の挑戦」にて職業体験活動中の吉江中学校2年生の生徒さんも一緒に同行し、SDGsに関わる活動のお話をお伺いしました。


地域の暮らしを支える谷口板金

谷口板金さんは才川七に本社があり、30年以上地域の板金屋さんとして住宅の外装工事や板金加工、住宅を長持ちさせる工事やメンテナンス等の事業を営んでおられます。また福光の街中で、「情報発信基地えこる」というペレットストーブの展示やイベント・レンタルスペースとしても活用できる場所の運営などもされています。

▼情報発信基地えこる

安心安全の暮らし・エコと地域内循環

板金業として、人生で一番高い買い物と言われる“家”を長持ちさせられるよう、家の外壁や屋根を整える仕事そのものが「住み続けられるまちづくり」(SDGsゴール11)に貢献されています。
またエコ推進事業部では、エネルギーがクリーンなものに変わっていくように、南砺市内の間伐材を使用した木質ペレットをはじめ、木質ペレットストーブ、ピザ窯、BBQコンロ、テントサウナ等の販売・レンタルを行っています。また、最近は電動キックボードや電動スケートボード等の取り扱いも始められました。木質バイオマスエネルギーをはじめとしたクリーンなエネルギーの利用を推進・普及していくこと、そして利用される方にも「つくる責任 つかう責任」(SDGsゴール12)をお伝えしていくことで、森の豊かさを守ることや地域内循環に貢献していきたいと考えておられます。

▼板金業のお仕事の様子
 

▼取材時にペレットストーブの魅力をお話いただきました

 

変わらない風景と変わりゆく風景

谷口板金本社はイオックスアローザの麓にあり、喬行さんが幼少期の頃からそこにある風景が今も変わらずに綺麗であり続けています。その風景を自分の子どもや自分と同じ時間を生きている人たちに残していきたいという強い想いを持ち、仕事を通じて皆様にお伝えできたら嬉しいと喬行さんは話されます。

▼色づく木々とのどかな田園風景が見渡せる才川七の景色

一方で、喬行さんが小学生の頃にはおもちゃ屋さんやハンバーガーチェーン店なんかもあったそうですが、お店がどんどん閉店していきました。そんな中、どうしてもこの地域を何とかして盛り上げたい、楽しい場所として人に来て欲しいという思いから、本社やえこるでイベントの開催も行っておられます。

▼えこるでのワークショップ開催の様子


遊び心もある匠の技術

谷口板金さんは、喬行さんのお父様が創業されて30年以上になりますが、地域に支えられてたくさんの仕事を請け負ってきました。その中で育んできた知識や技術を生かして作った銅板の折り鶴は大好評だそうです。このように様々な形でものづくりの魅力を発信していき、スマホやパソコンで何でもできてしまう時代だからこそ手を使って作る楽しみも知ってもらいたい、と喬行さんは考えておられます。

▼銅板の折り鶴

谷口板金さんの抱える悩みや問題は

板金屋さんだけでなく建設業全般として人員不足であることや、手でものをつくることへの興味関心が薄れていることが問題と考えておられます。「情報があふれる時代だからこそ自分の実体験には敵わないと思うので、これからの将来を担っていく次世代の人たちが様々な実体験を通してものづくりに興味をもってもらいたい」と喬行さんはおっしゃられます。

 

こんな人と繋がっていけたら

喬行さん
「同じ方向性を向いている企業とSDGsを介して一緒にタイアップできるような機会があれば、よりSDGs未来都市としての南砺市を近隣の市や県外にもアピールできるのではないかと思います。学生や若い世代の人たちには柔軟な発想があると思うので、そういった方たちにも遊びに来てもらい、何かできたら嬉しいなと思います。また、えこるはチャレンジショップとしての活用も可能です。福光のメイン通りで前面ガラス張りの場所を使っていただいて、これから何かを始めてみたい人の第一歩となればと思っています。可能性は無限大!」

恵さん
「たくさんの方に建築板金の美しい技術、ペレットの魅力に触れていただきたいと思っています。職人さん達はミリ単位の仕事をしていて、初めて見た時感動しました。ペレットストーブは空気がクリーン、匂いも乾燥もなし。火の揺らぎは癒しとなり、お家時間がより楽しくなるんです。南砺市はペレット導入最大20万円と、県内トップの補助金も魅力!えこるで一緒に学んだり、新しい誰かや何かに出会ったり、そして微力ながら育ててくれた地元の賑わいの一助になれたらと思っています。」


谷口家の猫ちゃんにも癒しを与えるペレットストーブ

これからの未来

30年以上この地域に支えていただいたことをどの様にして地域にお返していけるのかを考えた結果、えこるの運営に繋がっているとのこと。色んな世代の方にSDGsやエコを通じて楽しい空間を提供し、福光って良い場所だなと思ってもらえることを目指しておられます。「板金・エコ推進各部門がこれからも地域と一緒に長く続けていくであろうし、その過程の中でアイデアやメッセージをもらってどんどん新しいこともやっていけたら面白くなっていくと思っています。これからも福光を盛り上げられるように頑張ります!」と喬行さんから力強い言葉をいただきました。

<インタビュアーの感想>

人口は減りゆき、シャッターが通りには増える中で本当に大切なことは人と人との繋がり。都会のような派手さや刺激はなくとも、移りゆく季節と変わらない景色の南砺市の自然と共に歩み続けてきた30年。この景色と街を守っていきたい!盛り上げていきたい!!という谷口夫妻の熱い思いを感じました。人は感動した記憶を鮮明にいつでも思い出せます。火の温もり、安心に暮らせるお家時間、再生可能エネルギーの活用など、人の営む未来に大切なお話をたくさん聞くことができて大変貴重なインタビューとなりました。

 

なんとSDGsパートナー宣言書


インタビュアー紹介


真野剛(戸籍上の姓は鈴木) 

【プロフィール】
南砺市地域おこし協力隊SDGs普及啓発担当。現在4年目。
兵庫県出身、城端地域在住、妻と娘(2歳)との3人暮らし。前職は福祉、農業、飲食、通信工事等。南砺で自然を感じながら環境負荷の少ない暮らしを実践中!

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